今年度最初の常勤者研修を、ラポールひらかた にて行いました。大阪高齢協では「認知症」について理解を深める研修を継続して実施しています。
今回は38名が参加して、本年施行された「認知症基本法」から地域での共生を考える、というテーマに取り組みました。
認知症基本法の理解を深める
最初は、昨年、高齢協連合会設立22周年記念講演でお話を頂いた、福祉ジャーナリストの町永俊雄さんの講演動画を全員で視聴しました。
動画の内容は「共生社会の実現を推進するための認知症基本法を読み解く」というもので、認知症基本法ができるまでの背景や、家族や本人の思い、*基本理念まで詳しく学ぶことができました。
中でも海外のアルツハイマーの方の日常を写したビデオは、取り巻く地域の人々が、小さなやさしさを持つことで孤立から救えることを教えていました。
*認知症基本法第三条の一基本理念
全ての認知症の人が、基本的人権を享有する個人として、自らの意思によって日常生活及び社会生活を営むことができるようにすること
『怒り』をコントロール
午後からは、メンタルヘルス研修の一環として、アンガーマネジメントについて学びました。研修委員が進行役となり、怒りのメカニズムや、怒りをうまくコントロールするための3つのステップなどを資料学習。途中で自分を6つのタイプに分ける、アンガーマネジメント診断を行い、他の事業所メンバーとワイワイ楽しく交流できました。
今、私たちができること
最後のグループワークでは、午前中に見た動画から「認知症の方が地域の中で暮らしていくために」というテーマで話をしてもらいました。
自分たちの事業所がそれぞれの地域で取り組むべきことやできることを考えあってもらい、最後に発表してもらいました。
どの事業所からも、自分たちだけの取り組みではなく、地域の方を巻き込んだ取り組み、
家族の方との取り組みを発表されていたのが印象的でした。
今後さらに認知症の方は増えてくると予測されます。皆が安心して暮らせる地域を目指して、事業所単位でできることや、個人的にできることを考え行動していく必要があるのではないかと考えました。
町永氏の講演の最後にこういう言葉がありました。「ひとりの百歩より百人の一歩」。
みんなでちょっとずつ社会を動かしていく意識を持って仕事に取り組んでいきたいものです。
次回は3月にまた認知症をテーマに研修を行います。
公開講座を考えていますので、またはっきりと場所などが決まったらなに和だよりで案内させていただきます。
ぜひ覗きに来てください。
副理事長(研修委員長) 橋本 篤
〈 研修レポートから 〉
〇心配ごとを相談できるかけこみ寺のような場所をつくる。
〇認知症の方の家族さん、だけでなく地域の方が気軽に集える場をつくる。
〇ワンコイン食堂で地域のつながりをもっと広げる。
〇小学生にキッズ(認知症)サポーター養成講座を開く。
〇認知症一歩手前のMCIの人に様々なボランティアをしてもらう。
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