豊かに、いきいきと、元気に暮らしていける「まち」をみんなが手を結び合って創ろう!

●労働者協同組合法を学んでいます
女性にとっての働くこと、協同労働とは?
協同労働推進ネットワーク阪神・学習会
 2024年10月17日(木)
左から永田さん・清水さん・金井さん
左から永田さん・清水さん・金井さん

 協同労働推進ネットワーク阪神は、労働者協同組合法施行翌年に設立された、大阪府、兵庫県で協同労働を実践・志向する市民や団体のネットワークです。10月17日に開催されたパネルディスカッション「女性にとっての働くこと」というテーマに惹かれ、WEB参加しました。

* 個性あふれる3つのワーカーズコープ *

― ひとりひとりが時間をかけて「発酵する」働き方 ―
ちまちま工房@箕面市
代表 永田千砂さん
 一般企業から豊能障害者労働センターを経て、一人一人を大切に、人を切らない、分けない、多くの人とではなく、障害ある人もない人も、ともに働く「ちまちま工房」を立上げ。豆腐屋さんの継承を始めたが、北部地震の被害を受け閉店。そこで、自分たちが発酵して地域の中、街の中でおいしい関係性を創っていくという思いをこめて「発酵食堂」(売っているのはカレーやごませんべい)を開店されたそうです。
 労協法施行前から協同労働の実践者だった永田さん、ちまちま工房10周年を迎え、「30分働くのは無理やけど15分なら仕事できる人」そういう小さなカケラを集めてカタチをつくる「お味噌でどっこいプロジェクト」を企画中で、芯の通ったおおらかなキャラクターが、まわりを巻き込んでじわじわ発酵中!

― 誰もが有機農産物を食べることができる社会 ―
労働者協同組合 and@茨木市
代表理事 清水直子さん
 「コープ自然派おおさか」の組合員で作ったワーカーズコープ。レトロモダンな空堀商店街(大阪市)で百年続いた金物屋さんを改装した「オーガニックスペースからふる」の運営を通して、国産オーガニックをひろげ、未来に夢を持てる社会の実現をめざす。というと固い感じですが、清水さんの語り口は気さくでフレンドリー。「食の安全」を求めて、生物多様性、脱原発・汚染水放出反対、ストップ温暖化など様々な活動をされてきてー地域(国民)の3.5%の人の考え方が変わったら、社会が変わるーそういう人達を増やしたいという思いでandを作ったと、明るく話されました。からふるは生きづらさを感じる人達がちょっとほっこりできる居場所も提供しています。

― メディア作りを活動の軸とした10代の子達の居場所 ―
労働者協同組合 こども編集部@神戸市
代表理事 金井智美さん
 信頼できるおとなとの出会い、学校外で、学びたいことが学べる、未来へのヒントもらう、漫画のようなノリ、そんな自分が10代の頃欲しいと思ったような場所、それがこども編集部です。40代のおばちゃんたちの、ほぼボランティア団体を2023年法人にしました、と語る金井さん。企業や行政の依頼業務や、こども達の「やってみたい」はもちろん、大人達が「伝えたい」プロジェクトなど目覚ましい実績を残しています。現在10代のこども編集部員は40人弱、大人サポーター8名に多くの協力者が加わって運営。出来る人が出来ることをする、をモットーに、同じ立場のフラットな関係で、時間と労働力と知恵と経験を寄せ集めて『一人の人間』を作っているイメージ、収入も1人分くらいです、という言葉がすごく印象的でした。

*コーディネーター酒井京子さん(大阪市職業リハビリテーションセンター所長)
「労働者協同組合は、自分ができることを仕事にする、人に仕事を合わせる、ができるところですね。
改めて女性として、働きづらさを感じたことは?」


永田―二十歳の頃から障害系団体で、皆が対等、全員で会議、全員で稼いで全員で分配というとこだった。
   協同労働って難しい、けど考えて話してって言う働き方はめちゃめちゃおもろいなって。
   ただ自分の言ったことは全部ブーメランのように返ってくる。
   そういうのって、なんでか、わからんけど、女性のほうが強い。

清水―子育てしながらフルタイムってしんどい。
   私は自由に、コープ自然派のこともするし、andの仕事もしてる。
   金井さんの話を聞いて、子供をおろそかにしてるかもって胸が痛むけど、子供は結構自立しています。

金井―女性の役割がどうこうというより、女性やから子供も産みたい、仕事もしたい、
   全部楽しみたいって思って先々を考えて作戦練ってきました。
   自分のキャパを見て、自分の身をけずらず、を意識しています。

 この後、参加者からの質問や応答など紙面に書ききれない充実の学習会、私にとっての「協同労働」がぐっと身近になりました。これからも協同ネット阪神の動きに注目です。
事務局長 田中いずみ

「労働者協同組合法」学習会 2024年7月26日(金) 於・本部会議室
「労働者協同組合法」学習会
日本労働者協同組合連合会 理事長 古村伸宏氏
日本労働者協同組合連合会
理事長 古村伸宏氏

念願だった「労協法」学習会に参加して
 7月26日の理事会後に日本労働者協同組合連合会 理事長 古村伸宏氏をお招きし、2年前に制定された新しい法律「労働者協同組合法」の学習会を行いました。
 理事や現場職員18名の参加で、「時代と世代の架け橋となる『人生の完成期』高齢協運動が編み出す〈つながり〉を探求する」という壮大なテーマで講義をして頂きました。
私たち高齢者生活協同組合は、労働者協同組合連合会の準加盟組織となっており、法人格は違えど、働き方は「協同労働」を追求してきました。いわゆる一般企業のトップダウンのやり方ではなく、働くもの自ら出資し、一人一票の議決権を持ち、運営にも経営にも責任をもつという働き方です。私達の事業は福祉事業が大半であり、職員は一人一人自分たちの給料の約2カ月分の出資を目指して毎年出資計画を立てています。

労働者協同組合=ワーカーズコープの広がり
 「労働者協同組合法」設立の背景には20年以上の歴史があり、この新しい働き方「協同労働」を追求してきた、センター事業団の沢山の実践がある事が、法律制定に繋がっています。
 この法律が出来てから、2年の間に「労働者協同組合」の法人格を持つ新しい事業体が、すでに100近く立ち上がっています。
 1つには、法人格を取得することが、とても簡易にできる事が魅力です。
@3人以上の発起人でできる
A法律に定めた要件を満たし法務局へ登記
B都道府県に届け出をする事で取得できます。(認可制ではない)
各都道府県には受付窓口が必ず設置されています。また「労働者協同組合」には、労働者派遣事業を除くあらゆる事業が可能です。
 2つには、先に述べた「協同労働」が今後の多様な働き方への魅力を感じさせる事です。共に働く仲間(組合員)は、いわゆる「雇う」「雇われる」の関係ではなく、@出資をし、平等な議決・選挙権があるAみんなで話し合い、合意形成を図っていく意見反映Bともに助け合いながら働き、良い仕事をつくる、ことが原則です。さらにその良い仕事は暮らしと結びつき、地域につながりを取り戻し、新しいコミュニティーを作り出す=地域づくりに繋がっています。
 古村さんから新しくできた団体の紹介もありましたが、実に多様です。
「気候変動の影響を考え、環境負荷をかけない商品の販売を行うプラスチックフリー普及協会」「若者就労支援や困窮者支援を行うワーカーズコープ」これには介護保険事業を行う事業所もあります。
また、「自治会・シニアの人たちによる総菜製造や地域の困りごと解決で立ち上がった団体」「山林・原野を整備してキャンプ場を立ち上げたワーカーズコープ」など様々です。
中には包括支援センターと協力して仕事おこしを行ったり、広島市ではシルバー人材センターの目的に協同労働の促進を入れる事など、自治体ごとのやり方で、取り組みが始まっています。
(詳しくは、厚生労働省のホームページでご覧ください。)
厚生労働省「労協法」HP知りたい!労働者協同組合法

2度目の国際年に向けて
 来年は2012年に続き2度目の「国際協同組合年」として、国連が定めた年でもあり、「協同組合」に対する期待が高まっています。各地であらゆる「協同組合」が集まり、実行委員会を立ち上げ、SDGs達成に貢献するべく、連携が始まっています。大阪でも「OCoNoMi大阪」として、大阪高齢者生協も実行委員として参加しています。これを機に協同組合間の連携を深めていけたらと思っています。

「働く」のこれから
 今までの法律では、「働く」事は、雇用されて働くか自営で働くかの二者択一しかありませんでした。私自身、就職する時に、その働き方が当たり前だと思っていました。同時に疑問でもありました。「働く」とは何のため?誰のため?会社のため?どうせ働くなら楽しく働く事を追求したい。そんな思いの中、高齢協に出会い、仲間とともに、事業の立ち上げから関わらせて頂き、早26年が過ぎました。失敗や辛い経験もたくさんありましたが、私達が目指す働き方「協同労働」の理念を実践しながら、これからも自分らしく、同じ志を持っている仲間とともに働きたいと思っています。
 そして、大阪高齢協の柱『福祉』『仕事』『生きがい』の一つである、「シニアの仕事おこし」に取り組みたいと思っていますので、是非、皆様のお力を貸して下さい!
副理事長 西田寛子

『仕事おこしと地域おこしの 主人公になるのは、あなただ!』
日本農業新聞論説「協同労働の新時代〜より良い社会みんなで」より抜粋


学習会を終えて〜職員の感想〜

 労協法は難しいイメージがありましたが、古村さんの話はとても聞きやすく、わかりやすかったです。私自身、協同組合で働いていることを改めて自覚する機会となりました。
 特に面白かったのは「労働者協同組合 上田」の動画でした。シニア世代が生き生きと自分の出来ることで事業を展開していることに希望がみえました。自身の経験が身近な人の役に立ち、それが生きがいとなり、地域の役に立つのは理想的だと思いました。これからを担う若い方にとっても、ワーカーズコープの働き方は自由で時代にあっているのではないかと思いました。
ほっとステーション御殿山 荒谷香織

 労協法と協同労働を深め、自身と仲間との働き方、事業計画について自然とイメージができる良い機会になりました。
 ワークライフバランスやディーセントワーク、意見反映、生きがい、幸福感等は、私自身が日々意識していることであり、労協法や協同労働の一部であることを再確認しました。
共感の大切さ、共存の確保がより大切なんですね。
 それぞれが自分の意見が言えるメンバー間の信頼関係、コミュニケーションを大切にしたいと強く思いました。そうすることで、各自の良いパフォーマンスにつなげ、仲間とのよい仕事を創っていきたいと思っています。
ほっとステーション東大阪 冨永あかね

 協同組合は、経済活動における協力と協同の精神を基盤とした組織です。
その特徴は、メンバーが自ら組織を作り、経営に参加することです。
 私は協同組合を理解し、感銘を受けました。協力と協同の精神が経済活動にプラスの影響を与えることが明らかであり、経済の民主化や社会の発展に貢献していると感じました。
 また、メンバーが主体的に関与することで、個人の成長や組織の強さが生まれる事も魅力的です。
 私は積極的に関与したいです。
ほっとステーション東大阪 木村洋子

 今回の労協法学習会での古村さんのお話は非常に多岐にわたるものでしたが、私が聞いて一番印象に残っているのは、「自分の働き方は自分で決める」という言葉です。このことは労働者協同組合だけでなく、協同労働の根幹部分だと感じました。
 今回の学習会で組合員それぞれが、自らの思いを発信して、皆で共有し、実現に向けて動くことが大事だと教わりました。
 なに和だよりの編集に携わる人間として、組合員の思いを発信・共有する役割を持つ広報紙の重要性をより一層強く感じ、これからの仕事に活かして行きたいと思います。
本部事務局 大中裕嗣

 今年になり、100歳体操やバザー、映画鑑賞など、地域の方の居場所づくりができる様になりました。
今後ニーズのあるカフェの再開も始められたら・・・と人づくりが課題になっています。
 働くことで役割を持ち、より元気になりたいと思う高齢者の方や、繊細で仕事が続けられなかった方、そんな方々の拠り所となり、何か地域とつながる仕事づくりができるはずではと思いました。
ほっとホームわたの花 中田亮子

 

〒553-0003 大阪市福島区福島5-14-6 福島阪神クレセントビル303号

 

 

 

Copyright 2003 All rights reserved. Produce by Osaka Koureisya Sikatsu Kyodou Kumiai.